このページは、岡田快適生活研究所(OKラボ)の代表・岡田さんが書いている開発日誌
「ok-lab's diary」(https://ok-lab.hatenablog.com/)の記事をもとに、
テーマ「ワイヤーの破断と金属疲労」に関する話だけを掲載日順にまとめたものです。
過去の価格・寸法は日誌の記載時点のもの、今の価格は公式サイトの現行商品一覧(2026年9月4日取得)にもとづいています。
一言で言うと
曲げの集中や反復でワイヤーが破断します。
対策は補助糸から二重ワイヤーへ進みました。
現行品には多目的ステンレスワイヤーがあります。
読む前に知っておきたい言葉
| 言葉 | やさしい説明 |
|---|---|
| ステンレス糸 | 直径0.29mmのステンレス線です。チップの糸として試験された部材です。 |
| 金属疲労 | 同じ場所への曲げが重なって金属が劣化する現象です。破断を説明するために使われています。 |
| ニチノール | ニッケルとチタンによる形状記憶合金です。曲げた後に元へ戻る性質を連結へ使います。 |
| シリコメタル | シリコンチューブにワイヤーを入れた部材です。ワイヤーを包みながら形を支えるために使います。 |
| 塑性変形 | 曲げた形が元へ戻らなくなる変形です。曲がり形状を作るために使われました。 |
何が起きるのか:ワイヤーの破断と金属疲労
対象は、OKプロステートチップの連結部や糸に使われたワイヤーの破断です。
ワイヤーはチップ同士やコードに添えられ、形を保つ目的で試されました。
場所は尿道内に入るチップ間や、体内外へ続くコード部分です。
日誌では金属疲労による劣化や、折れた端の飛び出しが扱われています。
ステンレス糸は2000回近く曲げても断線しなかった
2019年9月掲載の試験では、直径0.29mmのステンレス糸を使っています。
ほぼ同じ場所を30分ほど、2000回近く曲げても断線しませんでした。
一方、岡田さんは金属疲労による劣化は起こると考えています。
ナイロン糸ほどの耐久性はない可能性も書かれています。
岡田さんは、ステンレス糸には耐久限界があるとの見方を示しています。
(出典:ok-lab's diary 2019年09月掲載)
https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2019/09/14/143710
短いステンレス糸の連結は約3週間で破断した
2019年10月掲載の試験では、太めのステンレスワイヤーを使いました。
極端に短い区間では、曲げるたびに同じ場所へ負荷が集中しました。
その結果、約3週間の試験で破断することが分かりました。
研究所はステンレスによる短い連結を断念しました。
岡田さんは、代わりに縫合糸を複数本重ねる方向を示しています。
(出典:ok-lab's diary 2019年10月掲載)
https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2019/10/12/125944
ワイヤーの破断で器具を取り出せなくなった

2020年11月掲載の相談では、被覆が剥がれたコードが断線しました。
器具を取り出せず、膀胱まで落ちたため医療機関を受診しています。
公開翌日の追記では、自力で取り出せたと訂正されています。
岡田さんは、露出した導線は金属疲労や腐食で切れると書いています。
被覆が剥がれたコードは使わないよう案内されています。
(出典:ok-lab's diary 2020年11月掲載)
https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2020/11/14/131426
4線は極端な曲げでワイヤー破断に近づいた

2022年7月掲載の相談では、4線の針金部分が外へ出ています。
相談者は尿道内で強く曲がることが多く、痛みから使用をやめました。
岡田さんは、一度でも極端な負荷があれば起こり得ると答えています。
4線と6線は、線だけを修理することはできないとの回答でした。
岡田さんは、6線でも極端な負荷なら飛び出す可能性を案内しています。
(出典:ok-lab's diary 2022年07月掲載)
https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2022/07/09/123142
重いステンレス糸は3回目で破断した
2022年9月掲載の相談では、3回目の使用中に根元が折れました。
研究所は3回での破断を想定外とし、初期不良として対応しました。
岡田さんは、重いステンレスチップとの不釣り合いを疑っています。
この後、ステンレスのペッサリーは受けない方針へ変わりました。
岡田さんは、極端な曲げ戻しで破断しやすいと案内しています。
(出典:ok-lab's diary 2022年09月掲載)
https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2022/09/24/122837
チップレスのニチノールは2日で破断した
2024年12月掲載の相談では、装着から2日でワイヤーが切れました。
相談者は痛みで外し、出血はなかったと伝えています。
製作時に一か所だけ90度近く曲がった部分が破断箇所でした。
岡田さんは、許容範囲を超えた塑性変形が原因と考えています。
交換品は90度仕様とし、異常に曲がるワイヤーは使わない方針です。
研究所は当面、曲がり角度を最大90度までと案内しています。
(出典:ok-lab's diary 2024年12月掲載)
https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2024/12/14/122948
ワイヤーの破断と金属疲労へのメーカーの答え・対策
岡田さんの対策は、破断を否定せず、切れた後もつながる構造にすることです。
ステンレス糸にはナイロン糸を並行して備えた
2021年1月掲載のステンレスつのには、ナイロン糸も埋め込まれました。
岡田さんは、金属疲労による破断の可能性を前提にしています。
ワイヤーが切れてもナイロン糸でつながる構造です。
直径0.5mmを採用し、直径0.7mmは抵抗が強いと判断されました。
岡田さんは、破断時に備えてナイロン糸を併設すると書いています。
(出典:ok-lab's diary 2021年01月掲載)
https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2021/01/23/130107
シリコメタルはワイヤーをチューブで包んだ
2022年8月掲載のシリコメタルは、シリコーンチューブを使います。
外径3mm、内径2mmの中へ直径0.3mmのワイヤーを通した構造です。
岡田さんは、折れた端が外へ出る危険を減らす狙いを書いています。
一方、ワイヤーが折れた時点を製品寿命とする考えでした。
交換サービスは原則として受けられないと案内されています。
(出典:ok-lab's diary 2022年08月掲載)
https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2022/08/06/123150
ニチノールはダブルワイヤー前提へ変わった

2025年3月掲載時点で、チップレスの破断は4名から届いていました。
岡田さんは、どの金属も限界を超えれば破断すると考え直しました。
そこで、折れない製品ではなく、折れても形を保つ方向へ変えました。
ワイヤーを二重にし、一本が切れても残り一本で支える考えです。
岡田さんは、一本の破断時点で製品を廃棄する方針を書いています。
(出典:ok-lab's diary 2025年03月掲載)
https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2025/03/08/123016
ニチノール糸は一筆書きで無理な曲げを減らした
2025年11月掲載の日誌では、一筆書き加工が試されました。
一本のニチノール糸を切れ目なく使い、強い結びを避ける構造です。
岡田さんは、直線へ戻れる範囲の加工で負担を減らすと書いています。
血尿が出たときは、量が少なくても初めてでも、様子を見ずに泌尿器科を受診してください。
突然尿が出なくなったとき、器具が取り出せなくなったときは、自分で対処せず直ちに医療機関(救急を含む)を受診してください。
(出典:ok-lab's diary 2025年11月掲載)
https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2025/11/15/122921
ステンレス糸/ニチノール/シリコメタルは時期でこう変わった
| 時期(掲載年月) | そのころの状態 |
|---|---|
| [2019年9月掲載](https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2019/09/14/143710) | ステンレス糸の耐久試験を開始 |
| [2019年10月掲載](https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2019/10/12/125944) | 短いステンレス連結を破断で断念 |
| [2020年11月掲載](https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2020/11/14/131426) | 被覆剥離後の断線事故を警告 |
| [2022年6月掲載](https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2022/06/11/123420) | 4線を廃版にして6線へ変更 |
| [2022年10月掲載](https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2022/10/01/122944) | 6線とペッサリーの販売を一時停止 |
| [2023年1月掲載](https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2023/01/07/123115) | 交換可能なワイヤー方式へ再挑戦 |
| [2024年10月掲載](https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2024/10/12/122911) | ニチノールを糸の代わりに試作 |
| [2024年12月掲載](https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2024/12/14/122948) | チップレスを最大90度へ制限 |
| [2025年3月掲載](https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2025/03/08/123016) | 破断前提のダブルワイヤーへ転換 |
| [2025年8月掲載](https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2025/08/23/122935) | 0.15mmの4本束ねを標準候補に変更 |
ワイヤーの破断と金属疲労に関係するOKプロステートチップの商品と値段
現行一覧で直接確認できるのは、多目的ステンレスワイヤーなどです。
| 現行商品 | 今の税込価格 | 材料袋との関係 |
|---|---|---|
| 多目的ステンレスワイヤー | 税込550円 | 日誌では直径0.7mmのワイヤーとして言及されています。 |
| OKプロステートチップ ステンレスリング ショートタイプ | 税込3300円 | 過去にワイヤー接続を組み合わせた特注が掲載されています。 |
多目的ステンレスワイヤーの値段は公式サイトで確認できます。

過去のワイヤー接続は特注であり、今も同じ仕様を選べるとは書けません。
チップレス、シリコメタル、ニチノール糸接続は一覧に同名の商品がありません。
現行一覧で対応する商品を確認できません。
4線、6線、ペッサリーは、2023年1月掲載の日誌で販売中止とされています。
現行のステンレスリングに、旧方式が含まれるとは確認できません。
ワイヤーの破断と金属疲労のよくある不安
4線のワイヤー破断に期限はある?
2022年7月掲載の相談では、4線の使用期限が質問されました。
岡田さんは、通常使用でも期限を数字で示していません。
一度の使用でも、極端な負荷で飛び出すことがあるとの回答です。
6線やスーパー6線も、同じ危険を完全には除けないとのことです。
岡田さんは、線だけの修理はできないと案内しています。
(出典:ok-lab's diary 2022年07月掲載)
https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2022/07/09/123142
ニチノールは0.4mmに太くできる?
2025年2月掲載の相談では、ワイヤーの強度向上が求められました。
研究所は、直径0.3から0.4への変更案を回答しています。
断面積はほぼ倍になり、強度も倍近くなるとの見方でした。
ただし、樹脂で束ねる工程が難しくなるとも説明されています。
研究所は、試験を終えるまで直ちには対応できないと案内しました。
(出典:ok-lab's diary 2025年02月掲載)
https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2025/02/08/122932
ワイヤー破断品は修理できる?
2025年2月掲載の相談では、破断した3点の補修が希望されました。
研究所は原因を解決できないため、修理や同じ仕様の再作成を断りました。
発送後間もない対象品には、返金で対応すると回答しています。
別の相談でも、原因が不明なため返金となりました。
研究所は、改良版について日誌で報告すると案内しています。
(出典:ok-lab's diary 2025年02月掲載)
https://ok-lab.hatenablog.com/entry/2025/02/15/122943
この記事のまとめ
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| 一言で言うと | ワイヤーは曲げの集中や反復で破断します。 |
| 知っておきたい言葉 | 金属疲労、ニチノール、塑性変形が要点です。 |
| 何が起きるのか | 破断、端の飛び出し、取り出せない事態が掲載されています。 |
| メーカーの答え・対策 | 補助糸、チューブ、二重化、一筆書きへ進みました。 |
| 時期による変化 | ステンレスから破断前提のニチノール構造へ変わりました。 |
| 商品と値段 | 多目的ステンレスワイヤーは税込550円です。 |
| よくある不安 | 寿命は一定でなく、旧破断品は返金対応となった事例があります。 |
出典:ok-lab's diary(岡田快適生活研究所)。
写真・動画は各元記事をご覧ください。